2021/12/09
真髄の建物「隅梁の建て方は、こんなにも違う」
こんにちは!堀田建築のスタッフです。
堀田建築の堀田棟梁の想いを熱く語る「棟梁コラム」!
今回は、先日より話題になっている真髄の建物「隅梁」の家の「建て方」についてご紹介していきます!
今、堀田建築の歴史の中で棟梁が独立後初挑戦となった「隅梁の家」。
いつも堀田棟梁はお家を建てるごとに新しい挑戦をしているのですが、今回は「隅梁」です。
「隅梁」とは、木材同士を交差して組んでいく技の一つ。
こちらの写真は、大切な構造材たちです。
朱色と黒に分かれているのは、立てた後中から見た時の「色」が黒い梁なのか、朱色の梁なのかの違いです。
お部屋の空間ごとに、塗料の色が違っています。
(ギリギリまで棟梁と職人たちが手で仕上げていました!)
そしてこちらが、今回の隅梁の家に使われる「大黒柱」です。
この「隅梁の家」の大黒柱は、一尺五寸。
棟梁自ら仕入れた、とっておきの銘木を家の真ん中に置きます。
現場です。美しい基礎が出来上がっています。
ここに、柱を一本一本立てていきます。
基礎に柱を立てたところです。
そしてここが、先ほどの大黒柱を立てていく場所です。
大黒柱を立てる前に、大黒柱を主軸に「芯柱(しんばしら)」を納め、そこに、梁・中桁(なかげた)などを差し通し、揺れに対する強度を高めていきます。
堀田建築の家の「強さの秘密」は「鼻栓」。
堀田建築は木と木を組み合わせるときに、木にピッタリの穴を開けて柱を貫通させて組みます。貫通させたあと動かないように「栓」をするのが「鼻栓」の役割です。
そうして、地震が起こった時になるべく揺らさない、ガチガチに固めた家にしていくのです。
(いつも笑顔の今泉大工も、慎重に真剣に組み立てていきます!)
(木と木を組み合わせていくワンシーン。棟梁と、今泉大工のこの真剣な顔をぜひご覧ください!)
こうして、大黒柱が立ち、頑丈な骨組み・構造体が組み上げられていきます。
ところで、大黒柱の役割をみなさんはご存知でしょうか?
土台から屋根に向かって真っすぐ立てられる大黒柱の主な役割は、屋根の重さを支えることです。
逆に大黒柱も屋根の重みによって土台としっかり固定されます。
大黒柱は梁ともつながる家のバランスを支える重要な柱なのです。
そして家だけでなく「家族の健康と繁栄」を願うためにも、大黒柱は存在しています。
この隅梁の家に組み込まれた大黒柱の太さは一尺五寸なのですが、ここまでの大きさに育つためには何十年、何百年もの月日が必要です。
さらに、この大黒柱は欅(ケヤキ)なのですが、10年以上の乾燥が必要です。
この長い、長い歳月を掛けてつくられた立派な「大黒柱」を据えて、このご家族の幸せを願いました。
今世の中では「大工の家づくり」という言葉広まっていますが、単純に「大工が手がける家=大工の家づくり」と言いきることを、私たちはあまり良しと感じていません。
では逆になんなのかというと、上記のように、何百年かけてきた立派な大黒柱を中心に、梁と絶妙なバランスを保たせ、地震に強い家にする家づくりのことを、私たちは「大工の家づくり」と呼んでいます。
100年後も使える太くて高品質な木材、熟練の技術を持つ棟梁、そしてそこに住む家族を守れる強さや耐久性を生む木組があってこそだと私たちは考えているのです。
この小山大工が乗っている木材は、曲がっていますよね。
これは木がちゃんと山で育ってきた証拠です。
沿って、曲がりながら、個性を出しながら山で立派に育った丸太なんです。
この丸太を生かす家づくりができるのが、堀田建築の大工の家づくりなんです。
この隅梁の家をはじめ、堀田建築の家づくりに使われる木材は、棟梁自ら仕入れ、刻んだ丸太です。
良質な木材を仕入れる目、その丸太を加工する技術、木と木の引っ張り合う力を出させる組み方や、安全な構造や梁として生かす能力。
「丸太を使う隅梁の家」は、想像以上に大変な技術とセンスが必要なのです。
丸太の梁が組み合わさっていく途中の様子です。
丸太の状態のまま、気が組み合わさっているのがわかりますでしょうか?
普通の木造の家は、このような組み方はできません。
なぜなら、組み合わせるための「丸太」、「丸太の加工」、「組み合わせる技術」がないからです。
ですので、柱を中心に2本の梁を金物をつかってつなげています。
極力金物を使わない、木と木の組み合わせで建てる家づくりなのです。
そして、こちらが2階の屋根部分。
お部屋が分かれているので、木材の色も分かれています。
隅梁の一部です。
梁が斜めにはいっているのが、わかりますでしょうか。
どんどん組み上がってきました。
斜めに交差している梁は、全て1本の木です。
まっすぐな木は一本もありません。全て、太さもそれぞれ違います。
なぜなら、木は根本が太く上に伸びるにしたがってねじれているからです。
丸太に木組みをするための基準線を入れることは大変難しく、重ねることは出来ても、木と木を組んで交差させることが出来ないからです。
丸太同士を組んで交差させる堀田建築 堀田棟梁ほどの技術をほとんどの大工は持ち合わせていないのです。その違いを、私たちは知っていただきたい。だからこそ、今回このブログでご紹介しました。
そして、屋根の構造が出来上がりました。
美しく、圧巻の景色です。
内部は、このように複雑な組み合わせになっています。
こうして重ねあうことで地震の「揺れ」を抑えていきます。
家全体が「揺れ」て、ねじれる現象を抑えるための「隅梁」。
それはまるで「つっかえ棒」のイメージ。だから、揺れない家になるのです。
↓完成した隅梁の天井です
いかがでしたでしょうか?
こうしてみると、一般的な木造住宅の構造や天井と景色がまったく違いますよね。
木材の太さ、木材の形(堀田建築は丸太)、色、大黒柱など、国産の木材をたっぷりつかった本物の大工の家づくりを、堀田建築では手がけています。
どうか、この機会に堀田建築の家を見にきてください!
長く、快適に住むことのできる強い家、本物の自然素材の家を堀田建築では、ご提供しています。
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